「○○を使用しない」「○○を含まない」の検索について

組成や配合に関連する特許調査を行う際に、調査対象となる発明の特徴が「従来使用されていた『○○』という成分を含まない」といったケースの場合には、「○○を使用しない」という検索を行いたくなることがあります。

以前に、ビールテイスト飲料の調査を実施した際に、「ノンアルコールビール=アルコールを含まない」とか、「発泡酒、第三のビール=麦芽を使用しない」といった検索にトライしたことがありました。

もしも、ビールの特許分類の細分類の中に「ノンアルコールビール」や「麦芽を使用しないビールテイスト飲料」という分類項目があれば使用すべきですが、適切な細分類が無ければキーワード指定により検索することになります。

例えば、「麦芽を使用しない」のキーワード検索にチャレンジするのであれば、

麦芽 and (不使用+未使用+使用しない+含まない...)[語順指定有り5文字以内]

のように、「使用しない」の類義語を展開し、近接演算を駆使することにより、モレが無く、ノイズが少なくなるように工夫した検索を行うことが考えられます。

しかし、「無いものの検索」は「除く検索」に似ているところがあり、指定することにより除きたくないものまでが除かれてしまったり、不必要なものまでを検索してしまうことが多々起こりえます。今回の例では、「『麦芽』以外は『使用しない』」と記載されていたら、上記の指定ではヒットしてしまいます。

このような「無いものの検索」の特徴を考えると、「無いものの検索」や「除く検索」を予備検索の段階で関連公報を短時間に見つけるアプローチの一つとして活用することについては問題ありませんが、本検索の検索式で採用する場合には、十分な注意を払うとともに、メインの検索式ではなく、補助的な検索式として指定すべきであると思われます。