特許調査の品質を担保する:多面度について

私たちサーチャーは質の高い特許調査を目指して、検索スキルを高め、担当分野の技術知識を充実させ、さらに、ITツールの高度な活用についての能力を高めることに努力しています。このような努力を、一人一人が、さらには得意分野ごとに役割分担をしながら、組織として取り組んでいると思います。

では、実際の特許調査実務の品質はどのように担保すれば良いのでしょうか?

受任インタビューから始まり、検索式を立案して検索母集合を作り、スクリーニングを行い、調査報告書を作成する各作業工程の中で、いかに特許調査の品質を作り込むかということになると思います。

検索式の立案段階において、調査モレを防ぎ、不要なノイズを少なくするためには、ヒットさせたい集合を、多面的に複数の検索ラインで指定することが必要になると思います。

多面的な検索式の策定の考え方

この多面的検索アプローチの度合いを「多面度」としてカウントし、この多面度を高めることが特許調査の質の向上につながると思います。特許調査を実施する際には、①関連するFIを特定し、②そのFIに対応するFタームを検討し、さらには、③キーワードの類義語を展開することは最低でも実施されていると思います。すなわち、「多面度=3」は最低でも実現できていることになります。

前職において、特許調査サービスについてISO9001の認証を受けていました。その際にも、特許調査業務の品質を担保するための一つの指標として、「検索式の多面度≧規定値」という独自の管理基準を設定して運用していたこともあります。