技術用語による特許分類索引(キャッチワードインデックス)
特許調査の基本はFIやFタームなどの特許分類を特定して検索を行うことだと思います。
先日、特許分類を特定するテクニックについてのレジュメを作成していた際に、「技術用語による特許分類索引」を思い起こしました。
1993年(平成5年)に特許公報が電子化され、月額固定料金の特許データベースの提供が始まる以前は、データベースに接続して検索を実施するだけで使用料が加算されていく従量制の特許データベースしかありませんでした。そのため、予備検索を実施するにもデータベース使用量が加算されていくので、現在のように気軽にまずは予備検索を実施するということができない状況だったのです。そのため、当時は、データベースに接続せずに特許分類のあたりを付けるために、インデックス(目次類)や索引誌、分類サーチガイドなどの冊子体を整備して、特許分類の選定を行っていました。
国際特許分類(IPC)の特定に欠かせなかったツールが「技術用語による特許分類索引」(キャッチワードインデックスとも呼ばれていました)です。ネット検索をしていたら、現在でも日本特許情報機構(Japio)様より出版物として販売されていて、びっくりしました。
■技術用語による特許分類索引 https://japio.or.jp/service/service04_01.html
IPC5版および6版に対応した書籍と6版および7版に対応した簡易製本版の2種類が販売されています。
国際特許分類の第7版までしか対応していないので、当然ですが、現在の特許調査業務で便利に使える可能性は低いと思います。また、FIではなくIPCの索引であり、細分化されて特定性が高いFIを選定するにも物足りないことは否めません。
特許分類をキーワードから特定する方法として、J-PlatPatの特許・実用新案分類照会(PMGS)の中の「キーワード検索」の機能がありますが、もう一つ、思い出したのが、J-PlatPatの前身であるIPDLの時代のPMGSには、現在のキーワード検索と同様に分類説明文の言葉を検索するだけの「キーワード検索」と、分類説明文に記載されていない技術用語にも紐づけされた「キャッチワードインデックス検索」の2つの検索機能が提供されていたことです。キャッチワード検索機能は、まさに、「技術用語による特許分類索引」の電子版になります。当時の特許調査セミナーでは、分類特定のテクニックとしてキャッチワードインデックス検索を解説していたことを思い出しました。
現在でも、特許庁から提供されている特許調査実務に役立つテキストには、参考情報として、「技術用語による特許分類索引」が紹介されていました。
特許調査を、たまにしか実施しなくてもよい研究開発技術者の方や、駆け出しの特許サーチャーが直面する壁の一つが、特許分類の特定作業であると思います。このような方々にとって、「技術用語によるFI分類索引(最新版対応)」の電子版がPMGSの中で提供されるといいのになぁ~と思った今日この頃でした。
索引データの作成や、メンテナンスの大変さ、困難さは十分理解したうえで、もしも、「技術用語によるFI分類索引(最新版対応)」ができたならば、特許分類の活用促進のために役立つのではないかと思います。