公報システムが刷新されるようです

昨年末の2020年12月22日に、特許庁から公報の発行システムを刷新するとの告知がありました。

公報システム刷新に対応した公報の発行について
  https://www.jpo.go.jp/system/laws/koho/oshirase/system-sasshin20201222.html

刷新される公報システムは、年が変わった2022年1月に稼働を開始し、それ以降は新仕様の公報が発行される予定とのことです。刷新の対象となる主な公報は、特許、実用新案、意匠、商標の各公報と審決公報になります。

特許調査実務に影響がありそうなポイントとして、以下の3点が挙げられます。

 (1)週1回発行から毎日発行されます。

 (2)再公表公報が廃止されます。

 (3)公報発行サイトからPDFファイルの提供が廃止されます。

公報が毎日発行されるようになると、SDIやウオッチング調査に影響があるかもしれません。刷新の前後の新旧のシステムが並行運用されることは無く、スパッと切り替わるので、切り替わった後のしばらくは、検索結果を注意深く観察すべきかと思います。

影響が大きいと思われるのが、再公表公報が廃止されることです。
再公表公報は発行までのタイムラグが長く、出願の事実を把握するのが遅くなるというデメリットはあるものの、公開特許公報に含めて検索対象とすることができていました。しかし、再公表公報が廃止されるとなると、J-PlatPat検索を実施する際に、外国文献の「WIPO(WO)」を検索対象に加えて検索するとか、PATENTSCOPEやGoogle Patent等の外国文献検索データベースで、日本語の国際公開公報を検索することが必要になります。

ただし、国際公開公報にはFIとFタームのデータは含まれていないので、IPCとキーワードを指定した検索しかできない点には注意が必要です。

また、もしも、PDF公報を特許庁の「公報発行サイト(下記※1)」より入手している場合には、別の入手方法を検討する必要があります。

※1 インターネット利用による公報発行サイト
https://www.publication.jpo.go.jp/

刷新されるのは、随分と先の話ではありますが、日頃お使いの特許検索システムではどのような対応になるのか、確認してみてはいかがでしょうか。

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